令和8年版高齢社会白書で、65歳以上の人のうち39.0%が「収入を伴う仕事をしたい、または続けたい」と答えたことが示されました。
高齢になっても働く人が増えている、というだけの話ではありません。年金、健康、人とのつながりをどう保つかという、暮らし全体の問題として読む必要があります。
65歳以上の4割が「働きたい」と答えた意味
内閣府の令和8年版高齢社会白書概要では、日本の65歳以上人口は3,622万人、総人口に占める割合は29.4%とされています。
さらに、65歳以上の就業者数は22年連続で前年を上回りました。令和7年の就業率は、65〜69歳が54.5%、70〜74歳が36.2%、75歳以上が12.6%です。
| 年齢層 | 令和7年の就業率 | 読み取り方 |
|---|---|---|
| 65〜69歳 | 54.5% | 半数を超える人が働いている |
| 70〜74歳 | 36.2% | 体力や生活に合わせて続ける人が多い |
| 75歳以上 | 12.6% | 年齢だけで働く・働かないを決めにくい |
報道でも、65歳以上のおよそ4割が収入を得る仕事を希望している点が紹介されています。背景には、生活費への不安だけでなく、社会参加や生きがいもあります。
82歳から見ると「収入」だけで決めない方がよい
仕事を続けたい理由が収入であっても、82歳前後では体調、通院、家族の予定、移動の安全を同時に考える必要があります。
収入が少し増えることは安心につながります。一方で、疲れが残る働き方や、転倒リスクのある通勤は暮らしを苦しくすることがあります。



特に年金、税金、医療保険、介護保険への影響は人によって違います。個別の金額は、年金事務所、自治体、税務署などで確認するのが安全です。
働く前に見たい5つの確認点
高齢期の仕事は、若いころの延長ではありません。短時間、近距離、負担の少ない内容を選ぶほど、暮らしに組み込みやすくなります。


| 確認点 | 見るポイント |
|---|---|
| 健康 | 通院日、持病、疲労回復の時間を確保できるか |
| 時間 | 週何日、何時間なら生活を乱さないか |
| 収入 | 必要な金額と、無理なく得たい金額を分ける |
| 年金・税 | 年金、税、保険料への影響を窓口で確認する |
| 家族・地域 | 家族に予定を伝え、地域の支えも残しておく |
大切なのは、「働くか、やめるか」の二択にしないことです。月に数回の手伝い、地域活動、有償ボランティアという形もあります。
孤立を防ぐ視点も忘れたくない
白書概要では、日常のちょっとした困りごとで同居家族以外に頼れる人について、日本は友人13.7%、近所の人12.9%とされています。
これは、働くことを収入だけで見るのではなく、外出機会や人との会話を持つ手段として見る必要があることを示しています。



ただし、つながりを作る方法は仕事だけではありません。自治会、趣味の会、図書館、体操教室、家族との定期連絡も立派な支えです。
まとめ:働くことを「老後の羅針盤」として考える
65歳以上の4割が働きたいと考える時代は、高齢期の生き方が一つではないことを示しています。
82歳の読者にとって大切なのは、世間の流れに急がされないことです。健康を守り、家計を見直し、人とのつながりを保つ形を選ぶことが、いちばん現実的な羅針盤になります。


