今年も8月6日がやってきました。広島に原子爆弾が投下されてから、81回目の夏となります。
テレビで映し出される平和記念式典の静寂を眺めながら、私の心は60年以上前、熱気あふれる青春時代を過ごしたあの夏へと時間を遡っていました。
トレみ
加藤(アコーディオニスト)物理学と「うたごえ運動」—青春時代に胸に刻んだ核兵器廃絶の誓い

物理学者の視点とうたごえ運動の情熱から誓った核廃絶
学生時代、私は大学で物理学を専攻していました。
学問として科学の真理を探求すればするほど、物理学者としての視点からも恐ろしい確信を持つようになりました。それは、「原子爆弾・核兵器こそが人類最大の過ちであり、これが存在する限り人類の滅亡危機は絶対に消滅しない」ということです。
当時、時間的にも情熱的にも自由があった私は、「うたごえ運動」を通じて平和運動に熱心に参加していました。8月6日が近づくと、友人たちと共に街頭に立ち、署名活動やカンパ集めに奔走したものです。
サトルくん(当時の教え子)原爆ドーム前で奏でた「原爆許すまじ」とアコーディオンの響き

原爆ドーム前で響かせた「原爆許すまじ」のアコーディオン伴奏
ある年の8月6日、私は重いアコーディオンを肩に担ぎ、広島の式典へと向かいました。
現在では世界遺産となっている原爆ドームの前に立ち、全国から集まった仲間や市民の皆さんと共に声を合わせて歌った歌が、名曲『原爆許すまじ』(作詞:浅田石二/作曲:木下航二)です。
- 蛇腹を押し引きする手に込めた憤りと祈り
- 鍵盤を叩く指先から響くアコーディオンの音色
- そこに居合わせた全員の「二度と繰り返してはならない」という熱い想い
あの時、肌で感じた空気と「核を絶対になくさなければ」という強い衝動は、60年以上の月日が流れた今でも、少しも色褪せることなく私の胸に生き続けています。
ミキさん(当時の教え子)
加藤(アコーディオニスト)「核戦争へ突き進みかねない」—NPT再検討会議3回連続決裂の衝撃

NPT再検討会議の決裂と増す核の脅威に対する危機感
しかし、現代の世界情勢に目を向けると、情勢は非常に緊迫し、憂慮すべき状況が続いています。
最近のニュースでも大きく報じられた通り、NPT(核不拡散条約)再検討会議が3回連続で決裂し、最終文書を採択できないまま閉幕しました。
被爆地・長崎をはじめ、平和を願う世界中の人々から悲痛な落胆と強い危惧の声が上がっています。「このままでは人類が再び核戦争へ突き進みかねない」という危機感は、決して大げさなものではありません。
港の古老さん校長時代の平和講話からYouTube・ブログでの発信へ

学校での平和講話からYouTube・ブログによる世界への発信へ
現役で学校の校長を務めていた頃は、朝の挨拶や全校放送、平和学習の講話を通じて、子どもたちに平和の尊さや歴史の事実を語りかけてきました。
退職して学校という場を離れたいま、私にできることはブログやSNSを通じて読者の皆さんに呼びかけることです。
昨年は、YouTubeチャンネル(時代目撃者POV)を開設し、原爆の恐ろしさや太平洋戦争の真実をテーマにしたショート動画を何本も制作・投稿しました。
以下は、1945年8月6日の広島を8歳の少女の視点(POV)から描いたショート動画です。言葉だけでは伝えきれない当時の過酷さと、日常が一瞬で奪われる惨劇のリアルを映像に込めました。
トレみまとめ:あの夏のメロディーと共に、未来へ語り継ぐ
どんな言葉で表現すべきか深く迷っているうちに今年も8月6日を迎えましたが、連載企画「心に刻まれた音楽」として『原爆許すまじ』を取り上げられたことは、私にとって非常に深い意義がありました。
一人の人間の力は微力かもしれません。しかし、諦めずに声を上げ続けること、真実を語り継ぐことこそが、核なき世界への確かな一歩になると信じています。
あの夏、アコーディオンで奏でたメロディーを胸に、これからも私にできる形(ブログや動画)で平和への祈りを発信し続けていきます。
加藤(アコーディオニスト)

