動画は1.5倍速で視聴し、複数のSNSを常にチェック。情報収集も食事も、すべてにおいて「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する——。
そんなイメージが強いZ世代の間で今、真逆の価値観が静かに広まっています。それは、あえて手間と時間をかける「非効率な旅」。
なぜ彼らは、効率至上主義の日常を離れ、ローカル線に揺られ、フィルムカメラを手に取るのでしょうか。その背景にある「タイパ疲れ」と、「何もしない」という新しい贅沢に迫ります。
トレみ「タイパ疲れ」していませんか?Z世代の心の叫び

常に大量の情報にさらされ、「いいね」の数を気にし、最短時間で最大の結果を出すことを求められる日常。Z世代の多くは、物心ついた頃からそんなデジタル社会を生きてきました。
その結果、無意識のうちに「タイパ疲れ」とも言うべき精神的な疲労を溜め込んでいます。「常に何かに追われている感じがする」「スマホを見ていないと不安になる」。
そんな心の叫びが、「非効率な旅」への渇望につながっているのです。
トレみ旅先でまで分刻みのスケジュールをこなすのではなく、日常から切り離された「余白」の時間に身を委ねたい。その欲求が、これまでの旅の常識を覆し始めています。
“余白”こそが宝物。非効率な旅の楽しみ方3選

では、Z世代はどのようにして「非効率」を楽しんでいるのでしょうか。そこには、偶然の出会いや予測不可能な発見を慈しむ、新しい旅のスタイルがありました。
トレみ- ローカル線の旅:新幹線や飛行機を使わず、あえて各駅停車のローカル線に乗り込む。車窓からのんびりと景色を眺め、名前も知らない駅でふと途中下車してみる。そこには、ガイドブックには載っていない、地元の人々の暮らしや美しい風景との出会いが待っています。
- フィルムカメラ:撮り直しがきかず、現像するまで結果がわからないフィルムカメラ。一枚一枚を大切にシャッターを切るプロセスそのものが、旅の体験を豊かにします。少しブレていたり、光が滲んでいたりする写真も、デジタルにはない「エモさ」として、かけがえのない思い出になります。
- ゲストハウスでの出会い:プライベートが確保されたホテルではなく、オーナーや他の宿泊者とリビングを共有するゲストハウスを選ぶ。国籍も年齢も違う人々との何気ない会話から、思わぬ情報が得られたり、新しい価値観に触れたりする。そんな一期一会が、旅の醍醐味となります。
「何もしない」が最強のコンテンツになる時代

「非効率な旅」の究極の形、それは「何もしない」ことです。絶景の見えるカフェで何時間も過ごす。
海辺でただ波の音を聞く。観光名所を巡るのではなく、その土地の空気を感じながら、心と体を解放する時間。
これこそが、Z世代にとって最も価値のある「体験コンテンツ」になりつつあります。
トレみSNSに投稿するのは、観光名所での記念写真だけではありません。旅先で読んだ本の一節や、心に残った風景写真と共に、内省的な言葉を添える。
きらびやかな「映え」を追い求めるのではなく、自分自身の内面と向き合った「チルな(落ち着いた)」時間を共有することに、新たな価値が見出されているのです。
まとめ:あなたの旅に「余白」はありますか?
タイパを追求する日常があるからこそ、非効率な時間の価値は輝きを増します。もしあなたが日々の忙しさに少し疲れているのなら、次の休みは、あえて何の計画も立てずに旅に出てみてはいかがでしょうか。
きっとそこには、予測不可能な素晴らしい出会いと、心からの安らぎが待っているはずです。
