3月11日、東日本大震災から15年。静かな祈りを捧げるこの日に、私は一つの決意を固めました。
それは、瓦礫の中から希望を見出そうとした多くの人々のように、私自身の人生の埃をかぶった記録の中から、未来を照らす光を見つけ出すこと。
82歳という節目に始めた「プロジェクトR」の羅針盤が指し示したのは、40年前、中学校の音楽室で生徒たちと流した汗と涙の結晶――あの泥臭くも輝かしい吹奏楽の響きでした。
灯台守埃をかぶっていた1984年の指導ノートを読み返していると、当時の生徒たちが流した汗や、一音に込めた執念が鮮明に蘇ります。
それは、今の私自身を最も励ましてくれる「熱量」でした。
本日は、来週火曜日から始まる本格連載に先立ち、私がこの物語を今、語り継ぐことに決めた「想い」を綴ります。
1984年の記録が呼び覚ます「教育の原点」


埃をかぶった指導ノートは、教育者としての原点を呼び覚ます宝物だった。
連載の基となるのは、1984年当時に私が綴っていた膨大な指導記録です。
当時の吹奏楽部は、決して順風満帆ではありませんでした。わずかな部員から始まり、楽器のメンテナンスもままならない。
しかし、そこには現代が忘れかけている、純粋なまでの「向上心」が充満していました。
生徒たちが自ら楽器を磨き、壁にぶつかりながらも理想の音を追い求める姿は、教育の本質を私に教えてくれました。



プロジェクトRにおいて、この「吹奏楽にかける日々」を最優先の目玉コンテンツに据えたのは、それが単なる思い出話ではないからです。
人と人が共に歩み、成長するとはどういうことか。私なりの「解」を次世代へ残すための、魂の作業でもあります。
40年前の叫びが、今の時代にどう響くのか。私自身も期待を隠せません。
「吹奏楽は一人ではできない」という不変の真理


様々な楽器が調和し、一つの音楽を奏でる様子を表現したイラスト。「一人の100歩より、100人の一歩」という吹奏楽の真理を示す。
吹奏楽の最大の魅力は、自分一人がどんなに優れた演奏をしても、決して完成しないところにあります。
木管、金管、打楽器……それぞれが異なる役割を担い、隣の音に耳を傾け、心を合わせることで初めて一つの「和」が生まれます。
「一人の100歩より、100人の一歩」。その重みを、私は音楽室で生徒たちから教わりました。
指の皮がめくれてもトランペットを離さなかったリーダー。自分の楽器より友の楽器を大切にした部員。



連載全17回を通じてお伝えしたいのは、まさにこの「繋がりの物語」です。
バラバラだった音が、試練を乗り越え、一つのハーモニーへと昇華していく過程。そこには、リーダーシップのあり方、挫折の乗り越え方、そして「誰かのために奏でる」という利他の心が詰まっています。
この物語を整理し公開することは、私にとって82年間の人生への「報恩」でもあるのです。
82歳の挑戦。デジタルアーカイブが繋ぐ未来


82歳の挑戦。アナログな思い出をデジタルの光で照らし、未来へと繋ぐ新しい航海。
アルバムに整理されたままのプリント写真や、倉庫に眠るネガをデジタル化し、AIの力も借りながら現代に蘇らせる。
この挑戦は、82歳の私にとって新しい「航海」そのものです。体力的な限界はあっても、経験を分かち合うことに終わりはありません。
過去を整理することは、未来を作る準備でもあるのだと、今改めて実感しています。



来週の火曜日から、毎週1回ずつ連載をスタートさせます。
このブログ「82歳の羅針盤」が、訪れてくださる皆様にとって、何かを感じ、考えるきっかけになればこれ以上の喜びはありません。
あなたの心の奥底に眠る、忘れかけていた「情熱」は何ですか?
3月11日の今日、私は改めて誓います。
この航海を、最後まで誠実な情熱を持って続けていくことを。どうぞ、一緒にこの旅路を見守ってください。
まとめ:次なる港への準備


この物語を届け終えたら、また新しい港へ。航海はまだ終わらない。
40年前の音楽室に置き忘れてきた情熱の欠片を、一つひとつ拾い集めるような航海が、いよいよ始まります。
この連載を通じて、単なる思い出話ではなく、人が共に成長することの尊さ、そして「誰かのために奏でる」という心の温かさを、次世代に届けたいと願っています。
来週火曜日から始まる全17回の「繋がりの物語」。どうぞ、この長い旅路の終わりまで、一緒に航海していただければ幸いです。



参考文献リスト
- 加藤凌 著『吹奏楽にかける日々』(1984年指導記録より再構成)
- プロジェクトR 運営方針資料(2026年3月策定)
- ブログ「82歳の羅針盤」連載アーカイブ
