MENU

3.11列車で読んだ楽譜から、施設訪問のアンサンブルへ。私が「花は咲く」に込めた願い|航海記

当ページのリンクには広告が含まれています。
3.11航海記 花は咲く 列車の中での出会い アイキャッチ
  • URLをコピーしました!

新幹線の中、震災で亡くなった方々への祈りが込められた楽譜と向き合っていたあの日のこと。その一音一音を確かめるように紡いだ記憶は、やがて時を経て、チェロを手に仲間と共に届ける『希望の演奏活動』へと形を変えていきました――

灯台守
今回は、俺自身の個人的な体験を語らせてもらうよ。
目次

運命の出会い:東京へ向かう列車の中で

東京へ向かう新幹線の車内で「花は咲く」に出会った老人 水彩画
東京への出張列車の中で、偶然流れてきた「花は咲く」に心を鷲掴みにされた瞬間。

この歌との最初の出会いは、今でも鮮明に覚えています。それは、会社の出張で東京へ向かう新幹線の車内でした。
窓の外を流れる景色を眺めながら、何気なくイヤホンから流れてきたその歌に、私は心を鷲掴みにされました。
優しく、そして力強いメロディと、心に深く染み入る歌詞。それが「花は咲く」だったのです。
その場で何度も繰り返し聴き、深い感動に包まれた私は、この歌を「自分のものにしたい」と強く思いました。

灯台守
まさに、音楽との運命的な出会いだったな。

楽譜を手に:独学で挑んだ譜読みの日々

自宅のピアノで楽譜を読む老人 温かいランプの光 水彩画
楽器店で手に入れた楽譜を広げ、一音一音を丁寧に追いながら練習を重ねた日々。

出張から戻ると、私はすぐに楽器店へ向かい、「花は咲く」の楽譜を手に入れました。
歌うだけでなく、自ら演奏したいという想いが募っていたのです。
楽譜を開き、一つ一つの音符を追いながら、ピアノに向かう日々が始まりました。
最初は慣れない譜読みに苦労しましたが、あの列車の中で感じた感動が、私を力強く後押ししてくれました。
メロディを正確に奏で、歌詞に込められた意味を噛みしめながら練習を重ねるうちに、この歌は私にとって単なる「好きな歌」から、「魂の一部」とも言える特別な存在へと変わっていったのです。

灯台守
夢中になって練習したあの頃が懐かしいな。

「新幹線の中で楽譜をなぞっていたあの日の私は、数年後に自分がチェロを手にし、仲間と共にアンサンブルを組んで、この曲を実際に施設へ届けることになるとは夢にも思っていませんでした。

教職を離れ、写真という新しい扉を開いた先で出会った、もう一つの生涯の友であるチェロ。
その音色で『花は咲く』を奏でることは、単なる趣味の活動を超え、かつて指揮台で子どもたちと追い求めた『音楽で響き合う喜び』を、今の私なりの言葉で再現する試みでもありました。
編曲から指導、そして演奏へと、かつての情熱が新しい楽器を通じてもう一度、別の景色として花開いたのです。」

弦楽アンサンブルと共に:届けたかった希望の音色

高齢者の弦楽アンサンブル 地域の集会所で演奏 水彩画
仲間たちと結成した弦楽アンサンブル。「花は咲く」を新しいレパートリーに加え、地域の施設や文化祭で演奏を届けた。

音楽の喜びは、分かち合うことでさらに大きくなります。幸いなことに、私には音楽を愛する素晴らしい友人たちがいました。
私たちは「弦楽アンサンブル」を結成し、地域の様々な場所で演奏活動を行っていました。
私は迷わず、「花は咲く」を私たちの新しいレパートリーに加えることを提案しました。友人たちもこの歌の持つ力に共感し、すぐに練習に取り掛かりました。

私たちの演奏は、決してプロフェッショナルなものではなかったかもしれません。しかし、心を込めて奏でるヴァイオリンやチェロの音色は、聴いてくださる方々の心に届くと信じていました。
地域の福祉施設や市民文化祭に呼ばれて演奏する機会をいただくたびに、私たちはプログラムの最後にこの曲を演奏しました。

灯台守
仲間と共に奏でる音楽は、格別なものがあった。

会場が一つになった瞬間:歌声の共演

弦楽アンサンブルの演奏に合わせて歌う高齢者の聴衆 地域の施設 水彩画
演奏に合わせて会場全体が歌い始めた瞬間。音楽が人々の心を一つに繋いだ、忘れられない光景。

特に忘れられないのは、会場の皆さんが、私たちの演奏に合わせて自然と歌い始めてくださった瞬間です。
最初は小さな声だった歌声が、次第に大きな合唱となり、会場全体が温かい一体感に包まれるのです。
世代を超え、様々な立場の人々が、同じ歌を口ずさみ、同じ想いを共有する。その光景は、何度経験しても胸が熱くなるものでした。

「花は咲く」という歌が、震災で傷ついた人々の心を癒すだけでなく、こうして地域の人々の心を繋ぎ、小さな希望の輪を広げていく力を持っていることを、私たちは肌で感じることができました。
音楽の持つ力を、これほどまでに強く実感した経験はありません。

灯台守
あの時の感動は、今でも俺の宝物だ。

まとめ:私の航海記と「花は咲く」

夕日の海を小舟で航海する老人 灯台 桜の花びら 水彩画
列車での出会いから始まった、音楽と共に歩んだ私の「航海記」。この旅は、まだまだ続いていく。

列車の中での偶然の出会いから始まった、私と「花は咲く」の物語。それは、楽譜を読み解き、仲間と音を重ね、そして聴衆の皆さんと心を一つにした、まさに音楽と共に歩んだ「航海記」でした。
この歌は私に、音楽の素晴らしさだけでなく、人と人との繋がりの尊さ、そして困難の中から立ち上がる希望の力を教えてくれました。

今年もまた、3月11日がやってきます。私はきっと、あの日々を思い出しながら、この歌を口ずさむことでしょう。
この歌に込められた想いが、そして私たちのささやかな演奏が、誰かの心に小さな花を咲かせる一助となっていたなら、これほど嬉しいことはありません。

灯台守
この航海は、まだまだ続いていく。音楽と共に。

✦ 関連情報:この歌に込められたメッセージ

【3.11から15年】復興の歌「花は咲く」の真実のメッセージとは?
誕生秘話や歌詞の深い祈りについて解説しています。

アコーディオンと共に

筆者:加藤 凌について
36年の教員生活を経て、58歳から起業。現在は「蒼き航海・・82歳の羅針盤」編集長として、人生の知恵とトレンドを融合させた情報を発信中。
私のモットー: 「生涯現役、好奇心は羅針盤」
最近の関心事: AI活用とアコーディオン演奏
➡ 82歳の挑戦。プロフィールと「蒼き航海」への想いはこちら

目次