2026年春、NHK連続テレビ小説『風、薫る』の放送が始まりました。明治・大正という激動の時代、未知の領域であった「看護」に生涯を捧げる二人の女性。彼女たちが傷ついた人々に寄り添い、時に旧弊な権力と戦う姿を観ながら、私は30年にわたる教員生活、そして校長として多くの子どもたちや教職員と歩んできたあの日々を、静かに振り返っています。
新作朝ドラ『風、薫る』——命の尊厳と向き合う、慈愛と闘いの物語


『風、薫る』の主人公は、境遇の異なる二人の女性です。一人は裕福な家庭に育ちながらも人道支援を志し、もう一人は貧困の中から生きる道を切り拓こうとする。二人が「看護」という新しい専門職を通じて出会い、互いの価値観をぶつけ合いながら成長していく姿が描かれます。
物語の核心にあるのは、「命の平等」です。戦地や流行病の最前線で、地位に関係なく目の前の苦しみを救う。その無償の愛とプロフェッショナリズムは、現代を生きる私たちにとっても、人間としての「気高さ」を問いかけてくるようです。



30年の教員生活と校長時代——ドラマに重ねる「人を育てる」覚悟


校長として組織をまとめ、時に困難な決断を迫られる立場は、ドラマにおける救護所の責任者の苦悩とも通じます。人の未来を預かる教育現場でも、「正解がない」中で信じる道を進む勇気が必要でした。現在は健康食品会社(日本健食株式会社)を経営していますが、私の根底にあるのは常に「人の健康と成長を支えたい」という変わらぬ願いです。



アコーディオンの音色に乗せて——音楽が癒やした心と絆


楽器の蛇腹を広げるたび、懐かしい合奏の記憶が風に乗って蘇る。
私は音楽を愛し、アコーディオンやリコーダーを嗜みます。吹奏楽部の顧問として生徒たちと全国大会を目指し、泥まみれになって練習したあの日々。皆で一つのハーモニーを作る過程は、看護チームが連携して一人の患者を救う姿とどこか似ています。
音楽には言葉を超えた「癒やしの力」があります。蛇腹を広げて空気を送り込み、音を奏でる。それは、誰かの心に温かな風を吹き込む作業。ドラマのヒロインが命の息吹を守ろうとする情熱を、私はこの楽器の音色に重ねて感じ取っています。



まとめ:82歳の今、次世代に贈る「薫る風」


現代の書斎。82歳の今、次世代に贈る『薫る風』
NHK朝ドラ『風、薫る』は、過去を描きながらも、今の時代に必要な「共感」と「勇気」を教えてくれます。かつての教え子たちが、今や社会の各分野でリーダーとして活躍している姿を想像すると、私が教育現場で蒔いた種が、それぞれの場所で新しい「風」を起こしているのだと感じずにはいられません。
82歳の私は、今こうしてAIやブログという新しい技術を学び、「Project R」として自らの記録を整理しています。教育者として、音楽家として、そして一人の人間として。このドラマが描く「献身」の精神を胸に、私もまた、自らの人生という旋律を最期まで美しく奏で続けたいと思います。



