映画の中でよくあるラブシーンですが、監督や俳優、スタッフなどの間でどのように意思確認しているのかと考えたことはありませんか?
非常に繊細なラブシーンですので、意思疎通もなかなか難しくなってきますが、調整役にインティマシーコーディネーターという専門家がいます。
なかなか聞くことのない職業ですが、今回は、インティマシーコーディネーターについて紹介していきたいと思います。
インティマシーコーディネーターは日本に2人
インティマシーコーディネーターという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
映画の世界の専門家ですが、聞いたことがない人がほとんどだと思います。
それもそのはずで、このインティマシーコーディネーターという仕事をされている方は、日本にたった二人しかいないとのこと。
昨今、日本の映画業界では、性被害のニュースが数多くありますが、そういったことを防ぐためにもインティマシーコーディネーターの存在は、大事となってきます。
インティマシーコーディネーターとは?
インティマシーコーディネーターとはどのようなものなのでしょうか。
なんとなくラブシーンを調整する業務を行うことは想像できるかと思いますが、実際にどういうことを行なっているかはわかりませんよね。
擬似セックスやキス、入浴シーン、肌の露出などのことを英語で、「インティマシー・シーン(親密なシーン」と呼びます。
これらインティマシー・シーンを専門とするのが、インティマシーコーディネーターとなります。
制作側の期待値を十分に把握した上で、俳優に的確に伝え、演者を身体的、精神的にサポートすることが大切な役割です。
場合によっては、俳優がNoと言えるようなリラックスした環境づくりをすることが大事で、俳優たちの最大限の演技を引き出すことができます。
インティマシーコーディネーターに資格はいる?
日本では、まだまだ馴染みのないインティマシーコーディネーターですが、資格などは必要なのでしょうか。
インティマシーコーディネーターになるためには、専門的なトレーニングを受けて、テストに合格しなければなりません。
世界には、複数のインティマシーコーディネーター団体が存在しますが、日本にはまだ正式なものはありません。
ですので、たとえばアメリカには、IPA(Intimacy Professionals Association)や、IDC (Intimacy Directors and Coordinators)があるので、そこでトレーニングとテストを受けます。
アメリカですので、もちろん英語も必須となります。
トレーニングの内容としては、ジェンダーの知識、ハラスメントやトラウマについて、前貼りの使い方、性的シーンをリアルに見せるための振り付けや撮影アングルなどさまざま。
日本のインティマシーコーディネーターの一人、浅田智穂さんによると、トレーニングはオンラインでも受けることが可能で、毎日2〜5時間、最低50時間ほどかかるとのこと。
トレーニング後、テストに合格することで有資格者になり、公認インティマシー・コーディネーターとして活動することができるようです。
現時点では、インティマシーコーディネーターのトレーニングを受けるためには、外国語の習得も必要となるので、ハードルは高いかもしれませんね。
インティマシーコーディネーターのまとめ
インティマシーコーディネーターという言葉は初めて知りましたが、映像業界において大切な役割を担っていることがわかります。
日本の映像作品にインティマシーコーディネーターが起用されたのは、2020年からと、本当に最近で、まだまだこれからの仕事です。
これからの映画づくりにおいて欠かすことのできないインティマシーコーディネーターになるタイミングは、今なのかもしれませんね。
気になった方は、早めのうちに行動するといいかもしれません。
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