2020年から本格的に実用段階に入る自動運転。
自動運転車と聞くと、自動車が勝手に動いてドライバーは何もしなくても目的地に着く、と簡単にイメージ出来ますが、技術的にそんなことができるのか疑問に感じてしまう方もいるでしょう。
そこで今回は自動運転とはどのような仕組みで可能になるものなのかを解説していきます。
自動運転を可能にする技術とは?
現在開発・自動車に実装済みの技術の中にも、自動運転の仕組みに取り入れられるものは多くあります。
今ある技術に、AIやデータ通信技術をプラスすることで、自動運転は可能になるということ。
意外と知られているようで知らない、すでに実用化されている技術にはどういったものがあるでしょうか。
カメラ
カメラというと「写真を撮るもの」というイメージがありますが、車載カメラに関しては、自動車の「目」の役割を果たします。
現状だとドライブレコーダーやバックモニターなどが実用化されていますよね。
今後開発が進むと、走行中の周囲の状況把握のためにカメラが用いられるようになります。動画を撮り続けて、それをAIが瞬時に判断して、障害物の有無や歩行者、他者との距離感覚を検知するようなイメージです。
LiDAR
LiDARという聞き慣れない単語ですが、簡単にいうとレーザー光による周囲の状況検知システムのことです。
自動車からレーザー光を飛ばして、跳ね返ってきた情報を元に、対象物の形状や距離を検知します。
しかし、レーザー光という1本の線を使うわけですから、大量に飛ばして、レーザーから得られた情報を点描画のように1点1点つなぎ合わせて、1つの対象物の情報がようやっと分かるようになっていますので、膨大な量のデータを瞬時に処理できる技術が必要不可欠です。
GPS
GPSといえば、普段カーナビを使うときなどに位置情報を入手できる、人工衛星を活用したシステムです。
スマホなどでもよく利用されていますが、自動運転に組み込むには、より正確で誤差がなく、毎秒瞬時に更新されるくらいの高性能なGPSが必要になります。
今後の開発では、従来の2Dの単なる地図ではなく、3Dのより立体的で、情報量の多いGPS技術が求められます。すでに日産の一部の自動車に搭載されています。
自動運転実現に向けて開発中の技術
すでに開発され、自動車に搭載されている技術を活用するのはもちろんのこと、今までになかった全く新しい技術や仕組みも不可欠でしょう。
これから開発しなくてはいけない技術とはどんなものがあるのでしょうか。
EDR
EDR=Event Data Recorder の略称です。ドライブレコーダーの進化版といったところでしょうか。
完全な自動運転が実現し、もし事故が起きてしまったとき、事故の原因や責任の所在を確認するために、車内外の映像を常時記憶する必要があります。
また、配送トラックなどに搭載すれば、物流状況が正確に把握できるようになるので、より膨大なデータ通信に対応したドライブレコーダーが求められます。
セキュリティソフト
自動運転車は常にネットに接続し、膨大な量のデータを通信し続ける必要があります。つまり、あらゆる経路からハッキングされてしまう可能性があるということ。
パソコンのような侵入経路の限られたデバイスとはその危険性は比になりません。そこで重要になってくるのが、セキュリティソフトです。
もし、車をハッキングされてしまえば、事故や盗難など、あらゆる悪用が可能になってしまうわけですから、堅固なセキュリティソフトなくして自動運転は実現しないということです。
VSVとVSI
VSV(車車間通信)とVSI(路車間通信)という技術も開発が進んでいます。
他車や道路と直接データ通信ができれば、車単体で通信するよりもより安全性や正確性が増すことは火を見るより明らかです。
もし前方で事故が起きた際など、後続車にその情報を通信できれば、瞬時に対処することができます。
5G
2020年に日本でも実用化される第5世代の通信規格ですが、上記したように自動運転車が膨大なデータを高速で通信するには、今よりもハイスペックな通信システムが確実に必要になってきます。
むしろ、5Gがあるから自動運転が実現するようなものです。
2020年から、自動運転が実用化に向けて加速するのも、この技術なくしては考えられません。
まとめ
実用化されるのも時間の問題と言われている自動運転車。
車という概念が一新され、走行中は運転以外のことに労力を使えるようになってくるでしょう。それによって走行中、車で仕事ができたり、娯楽ができたりと運転中の過ごし方が変わってくるはず。
様々なメリットが生まれるのは間違いありませんし、夢が広がりますね。
この記事が、お役に立てれば幸いです。
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