2021年度予算編成で焦点となっていた少人数学級の実現をめぐり、公立小学校の1クラスの人数を25年度までに全学年で35人以下に引き下げることが決まりました。
公立小学校全学年「35人学級」が実現します!!
公立小学校の1学級の児童数の上限、今は1年生のみ35人、2~6年生40人です。
来年度から1学年ずつ段階的に拡大し2025年度全学年で35人が決まりました。
ただし、中学校は現行の40人のままです。
学級編制を1980年から12年間をかけて45人から40人に引き下げて以来、40年ぶりの改革です。
文科省が小中学校を一律で30人を要望していました!
文科省は小中学校を一律で30人に上限を引き下げるよう求めていました。
教室内で身体的距離をとりやすくなり新型コロナウイルス感染対策に資するほか、教員1人あたりの児童生徒数が減り、目配りしやすくなると主張していました。
財務省は「財政負担の増加」を理由に反対!
それに対して、財務省が「財政負担の増加」とか「教育効果に疑問視」を理由に反対してきました。
しかし、12月17日突然、小学校に限定して上限を35人とすることで両省が折り合いました。
事前閣僚折衝の終了後、文科省で記者会見した萩生田文科相は「今後5年間かけて約1万4000人の教職員定数の改善を図っていく。」と……話しました。
なぜか40年間まったく改善されてこなかった学級定員
30人学級の要望は大変強かったですが、40年間まったく改善されていませんでした。
公立小中の上限人数は1958年の法定時は50人。
68年度までの5年間で45人、91年度までの12年間で40人と、段階的に引き下げられてきました。
2011年度には小1のみ35人となり、他学年の議論は滞っていました。
何故、財務省は急に変わったのでしょうか?
文科省は新型コロナウイルスなどの感染症対策や、パソコン端末を活用した指導を充実させるため、21年度予算概算要求で金額を明示しない「事項要求」として少人数学級の実現を要望していました。
また、国と地方の協議の場でも、全国知事会などから少人数化を求める声が上がっていました。
どうやら、新型コロナ「密回避」が後押ししたようです。
1クラスの上限を定める義務教育標準法の改正案を2021年の通常国会に提出されることになります。
効果は限定的?!
親の立場としては、少しでも子どもをよく見てもらえると歓迎の声が高いと思いますが、
実は、すでに小学校で9割、中学校で7割が35人以下となっている実態なんです。
地方は過疎が進んでいて、ほとんどが10人から20人くらいの人数になっています。35人を超えているのは都会だけなので、効果は検定的といえます。なので30人学級にしても良かったと思います。
「小さな学校」「小さなクラス」が世界の流れ
統計資料としては少し前のものになりますが、OECDの「図表で見る教育2013年版」によれば、1学級当たりの児童・生徒数は、初等教育(小学校)が27.9人(OECD平均21.2人)、前期中等教育(中学校)が32.7人(OECD平均23.3人)と、どちらも日本はOECD平均を上回っています。
小学校全学年「35人学級」が実現します!のまとめ
ようやく、35人学級が日本で実現することになりました。一歩進んだことはとても良かったと思います。しかし、完成は5年後です。
このような事では、教育もまた世界の「後進国」になってしまわないでしょうか?日本の教育が心配です。
政治は、もっと日本の将来を見通して変わっていって欲しいと思うのは、30数年公立学校に勤務した経験を持つ私だけでしょうか?
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